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Debianプロジェクトリーダーは
どのようにして選ばれるのか
Debianの投票を例にコンドルセメソッドを学ぶ
Kentaro Hayashi
ClearCode Inc.
2026年4月 東京エリア・関西合同Debian勉強会
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スライドはRabbit Slide Showにて
公開済みです
Debianプロジェクトリーダーはどのようにして選ばれるのか
https://slide.rabbit-shocker.org/authors/kenhys/tokyodebian-debian-
vote-202604/
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本日の内容
Debianプロジェクトの選挙を知る
Debian組織構成とDPLの位置づけ
Debianの選挙について
実際の選挙はどのように実施されるのか?
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本日の内容
Debianプロジェクトの選挙を知る
Debian組織構成とDPLの位置づけ
Debianの選挙について
実際の選挙はどのように実施されるのか?
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Debianプロジェクトの組織構成(1)
Debian Constitution - Debian憲章
https://www.debian.org/devel/constitution.en.html
現在の最新バージョンは2022年に発効した1.9
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Debianプロジェクトの組織構成(2)
だれが意思決定に関わるのか
Debian開発者 (GRもしくはDPL選挙を通じて)
Debian Project Leader (DPL)
Technical Committee (技術的争点を裁定)
特定のタスクに関与しているDebian開発者(GTK2やめる旗振りとか)
DPLによって権限を移譲されたチーム等(DSA, DFSG, …)
Debian Projectの書記 (選挙の円滑な旗振り等)
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DPLの位置づけ
Debianプロジェクトの代表
Debian開発者による選挙で決まり、任期は1年
意思決定の主体の1つ (Debian Costitutionより)
DPLとして立候補する権利があるのはDebian開発者のみ
適切な権限の移譲、MLでの議論、資産管理など調整者の側面が強い
DPLのお仕事については https://bits.debian.org/tag/dpl.html 参照
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本日の内容
Debianプロジェクトの選挙を知る
Debian組織構成とDPLの位置づけ
Debianの選挙について
実際の選挙はどのように実施されるのか?
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Debianの投票に関する情報
https://www.debian.org/vote/
投票で決めるようになった1999年まで遡れる
DPLの選挙だけでなくGRの記録もある
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2026年DPL選挙
Sruthi Chandran さんが単独候補のため信任投票
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2026年DPL選挙
候補者の政策
DPLの負担軽減と効率化
DPLの支援チームを発足させる
多様性(Diversity)/新規参入(Outreach)の推進
でも従来通りの予算のありかたは見直す
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Debianの選挙の特徴
単記投票制ではない
順位をつけることで、死に票がでにくい
NOTA (None of the Above)を表明できる
棄権ではなく、明確な”反対”を表明できる
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投票の実際
投票のためのシステムとして devotee
https://www.debian.org/vote/index.en.html
投票手順
投票フォーマットをメール ballot@vote.debian.org を投げて取り寄せる
leader2026@vote.debian.org にフォームを埋めて署名してメールする
“誰が”投票したかは公開されるが、”誰に”投票したかは秘匿される
💣
たまにdebian-voteにそのまま返信して秘密投票でなくなる事故
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投票フォーマットとは?
VOTING FORM
- - -=-=-=-=-=- Don't Delete Anything Between These Lines =-=-=-=-=-=-=-=-
7066677e-e899-4143-af5e-710364fc2673
[ ] Choice 1: Gianfranco Costamagna
[ ] Choice 2: Julian Andres Klode
[ ] Choice 3: Andreas Tille
[ ] Choice 4: Sruthi Chandran
[ ] Choice 5: None Of The Above
- - -=-=-=-=-=- Don't Delete Anything Between These Lines =-=-=-=-=-=-=-=-
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本日の内容
Debianプロジェクトの選挙を知る
Debian組織構成とDPLの位置づけ
Debianの選挙について
実際の選挙はどのように実施されるのか?
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DPLが決まるまで
2026年は単独候補なので事例としては不適切
2025年DPL選挙を例に解説
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題材: 2025年DPL選挙
4名の候補者による選挙戦
Gianfranco Costamagna
Julian Andres Klode
Andreas Tille (2024 DPL。再選を目指す)
Sruthi Chandran
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2025年のDPL選挙結果
Andreas Tille氏の再選
Debian Project Leader Elections 2025より
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投票結果はどのように評価されるの
か
https://www.debian.org/vote/index.ja.html より
立候補者間の組合わせ可能な競争をすべて考える。コンドルセ勝者と
は、もし存在するとしたら、各候補者との競争においてすべて勝利す
る候補者のことである。
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コンドルセ勝者?
コンドルセメソッドにおける”勝者”のこと
“3すくみ”のような堂々巡りになる場合もあるのが弱点
e.g. A > B, B > C, C > A
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Debianでの評価方式
足切りをクリアしてからが真の戦い
定足数に満たない候補は脱落する
単純過半数に満たない候補は脱落する
総当たり戦(コンドルセメソッド)の勝敗を決定
3すくみ(コンドルセのパラドックス)状態になったらシュルツ方式で解決
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Debianでの評価方式
足切りをクリアしてからが真の戦い
定足数に満たない候補は脱落する
単純過半数に満たない候補は脱落する
総当たり戦(コンドルセメソッド)の勝敗を決定
3すくみ(コンドルセのパラドックス)状態になったらシュルツ方式で解決
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参考: 定足数に関わる定義
https://www.debian.org/devel/constitution.en.html
4.2 Procedure
4. The Project Leader has a casting vote. There is a quorum of 3Q. The
default option is “None of the above.”
7. Q is half of the square root of the number of current Developers. K is Q or
5, whichever is the smaller. Q and K need not be integers and are not
rounded.
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方針: 定足数を満たすべし
2025年は1030名のDebian開発者
Math.sqrt(1030)/2
=> 16.046806535881213
Quorum (3 * Q) = Math.sqrt(1030)/2 * 3
=> 48.140419607643636
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結果: 定足数を満たしたか?
候補者が”いずれも該当しない”とする選択肢を上回った数と比較
全員基準(> 48.1404196076436)をクリアしている
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Debianでの評価方式
足切りをクリアしてからが真の戦い
定足数に満たない候補は脱落する
単純過半数に満たない候補は脱落する
総当たり戦(コンドルセメソッド)の勝敗を決定
3すくみ(コンドルセのパラドックス)状態になったらシュルツ方式で解決
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方針: 単純過半数を満たすべし
この候補者がいい > いずれも該当しない
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結果: 単純過半数を満たすべし
全員基準をクリア
Option1 passes Majority. 3.900 (273/70) > 1
Option2 passes Majority. 3.259 (264/81) > 1
Option3 passes Majority. 8.154 (318/39) > 1 (現職強かった)
Option4 passes Majority. 2.009 (225/112) > 1
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Debianでの評価方式
足切りをクリアしてからが真の戦い
定足数に満たない候補は脱落する
単純過半数に満たない候補は脱落する
総当たり戦(コンドルセメソッド)の勝敗を決定
3すくみ(コンドルセのパラドックス)状態になったらシュルツ方式で解決
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Option 3 (Andreasさん)
当選したAndreasさんの戦績を見てみる
Debian Project Leader Elections 2025より
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Option 3 vs Option 1
Option 3はOption 1に勝利 (282 > 66 = 216)
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Option 3 vs Option 2
Option 3はOption 2に勝利 (261 > 78 = 183)
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Option 3 vs Option 4
Option 3はOption 4に勝利 (278 > 66 = 212)
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Option 3 vs Option 5
Option 3はOption 5に勝利 (318 > 39 = 279)
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Option 3の戦績
という感じでAndreas Tilleさんが全勝していた
すべての候補者と比較したとき “最強の候補者Xがいる”
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さいごに
DPL選挙で採用されているコンドルセメソッドのさわりを解説
DPL選挙ではたいてい全勝する候補者がいる
パラドックスが発生しないので、シュルツ方式の”最強の道の強さ”を計算せず
とも勝敗が決まる